改正薬事法(現薬機法)施行により、平成26年6月12日から、医薬品の分類や、一般用医薬品の特定販売注1)に関するルールなど医薬品の販売制度が変わりました。
まず、薬機法では医療用医薬品を含む医薬品を次のように3区分しています。
2と3はOTC医薬品と呼ばれています。では、その詳細について説明していきます。
注1)特定販売について
薬局又は店舗(薬店)におけるその薬局又は店舗(薬店)以外の場所にいる者に対し、一般用医薬品を販売又は授与すること。(例 インターネット・カタログ等の対面販売以外の販売方法)
薬店(店舗)・ドラッグストアや調剤薬局などで、処方せんなしに買うことができる医薬品は「OTC医薬品」と呼びます。英語の「Over The Counter」の略語が由来です。「市販薬」や「大衆薬」とも呼ばれてきました。
このOTC医薬品には「要指導医薬品」と「一般用医薬品」があります。
さらに「一般用医薬品」は含有する成分や、使用方法、相互作用、副作用などの観点から3つに分類されています。
一般用医薬品として製造販売の承認を受けてから一定期間を経過しておらず使用経験注2)3)が少ないもの、または、毒薬・劇薬に指定される医薬品。販売する際には薬剤師により、購入者が使用者本人であることを確認した上で、対面で書面を用いた情報提供・指導をする。
ちなみに、「OTC医薬品」と似た言葉「スイッチOTC医薬品」があります。
「スイッチOTC医薬品」とは、医療用医薬品として用いられていた有効成分を一般用医薬品として使用できるよう切り替えた(=スイッチ)もののことを言い、OTC医薬品に含まれています。前にも述べましたが、その中で医療用医薬品から一般用医薬品に移行して間がなく、一般用医薬品としてのリスクが確定していないものを「スイッチ直後品目」と呼んでいます。
OTC医薬品は軽度な体の不調を感じたときに便利に活用できますが、上手に使っていだくためにも、必ず使用前には、医薬品の容器や箱の中に入っている「添付文書(説明書)」をお読みください。この添付文書には、使用上の注意、効能・効果、成分、用法・用量、副作用など大切な情報が記載されています。
OTC医薬品は、いずれの分類に属する医薬品か区別できるように医薬品の包装、容器のラベル等に表示するよう法律で決められています。
また、販売時の陳列や専門家の関わり方、情報提供の仕方も分類によって決められています。
分類の他に、「濫用等のおそれのある医薬品」として厚生労働大臣から指定されている医薬品に関しては、販売数量等が決められるなど制限されています。
項目/分類 | 要指導 医薬品 |
第1類 医薬品 |
第2類 医薬品 |
第3類 医薬品 |
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指定第2類 医薬品 |
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表示(直接に容器や外箱等) | 要指導 医薬品 |
第1類 医薬品 |
第②類 医薬品注1) |
第2類 医薬品 |
第3類 医薬品 |
対応する専門家(販売者・情報提供者) | 薬剤師 | 薬剤師又は登録販売者 | |||
質問がなくても積極的に行う情報提供等 | 薬剤師が購入者と対面して文書を用いて情報提供(義務) | 薬剤師が文書を用いて情報提供(義務) | 必要に応じて情報提供(努力義務) | 法律上の規定なし | |
相談があった場合の情報提供等 | 義務 | ||||
購入者が使用者であることの確認 | 義務 | 必要に応じて | |||
購入者の理解の確認後の販売 | 義務 | 義務 | 必要に応じて | ||
陳列方法 | 購入者は製品を直接手に取ることはできません | 情報提供場所から、7mより遠い場合、直接手に取ることができません | 購入者は製品を直接手に取ることができます | ||
特定販売 | 不可 | 可能 |
注1)指定第2類医薬品の表示:第②類医薬品又は第2類医薬品
薬剤師 | 登録販売者 |
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国家資格を持った薬の専門家。医療用医薬品、要指導医薬品、第1類医薬品を含めた、全ての医薬品を取り扱うことができます。 | 都道府県知事が資質認定した、薬の専門家。要指導医薬品や第1類医薬品を除く一般用医薬品を取り扱うことができます。 |